2015年度

 寒暖差の激しかった今年の冬でしたが、近頃はあちらこちらで梅の香りが漂い、
暖かな春の訪れを感じさせてくれるようになりました。
 今年も春の定期便、キャロルおしゃべり箱をお届けします!
 はじめに、本年度の行事の報告とお知らせです。

2015年度のキャロル

8月…造形教室  8月20日(木)              
fish_01 立体造形家の御堂誠二先生を講師にお迎えしての夏の造形教室も、
今年で24回目!初めてお会いした時は独身のお兄さんだった御堂先生も、今では
二人の娘さんのパパとなり、キャロルの造形教室のアイデアを考える時には娘さんの喜びそうな物、作業できそうな事をヒントにするようになったそうです。
今回の御堂先生オリジナル作品は「キラキラ水族館」。
何とお弁当に付けるお醤油やソースを入れるお魚の形の“たれびん”が主役です。
半透明のたれびんに耐水絵具で色を付けると、カラフルなかわいい熱帯魚に変身!!
透明な糸を付けて、ガラス瓶のふたに石を固定し海底に見立てたところに、魚の糸を接着します。ガラス瓶にはお好みのキラキラの砂やビーズを入れて、最後になみなみと水を入れてふたをします。
そしてそっと瓶を逆さにすると…。スノードームのようにキラキラと水が揺れ、お魚がふわっと水に浮き、楽しそうに泳いでいるように見えます。
出来上がった作品をみんなで持ち寄り、御堂先生が持ってきて下さったブルーライトを当てると、幻想的な水族館になりました。
                 
flower_012月…親子ふれあいコンサート  2月11日(木) 
 今年も歌のお姉さん“竹田えりさん”をお迎えして1歳~2歳児対象の「親子ふれあいコンサート」を開催しました。手遊び・歌遊び・パネルシアター・エプロンシアターなどを、親子で楽しみました。
今年は祭日ということもあってお父さんのご来場も多く、「忍者のうた」では二人のお父さんにステージ来て頂き、カラフルなビニール袋を身に着けて
ninja_01忍者に変身! 歌って踊って頂きました。イクメンパパさん、
ありがとうございました。
                          
3月…作品発表会  卒業式・茶話会  3月20日(日) 14:00開演 
    D・F・研究科クラスによる作曲、動きの創作の発表
キャロルではリトミックの成果のひとつとして、1年生はメロディー創作、3年生は和声創作、研究科は毎年違うテーマでの創作活動を行います。そしてそれを毎年発表しています。今年の研究科はボディパーカッションをテーマに、動きの創作を行いました。
キャロルの生徒さんと保護者の皆様にご入場頂けますので、ご興味のおありの方は、是非お出でください。なお席に限りがございますので、いらっしゃる時は担当講師までお知らせ下さい。

 リトミック a la carte  vol.24

キャロルの親子クラスのお母様から、「これから先のレッスンはどうなっていくのですか?」「リトミックはいつ頃から始めるのが良いのですか?」と質問を受けることがあります。
親子でレッスンを受けて頂いている1,2歳クラスは、リトミックという広場のまだ
ほんの入口にいると言えるでしょう。何故なら本来のリトミックのレッスンは、生徒自身が音楽に反応して思考し、工夫し、自身の体をコントロールして表現しながら行うことが大前提だからです。それができるようになって初めて、リトミックという広くて深い音楽の広場を探検したり、遊んだり、創造したりできるのです。
1,2歳児はまだ会話でコミュニケーションを充分に取ることは難しいですし、空間を認識して周囲に意識を配りながら、お友達とぶつからない様に歩いたり走ったりすることもできません。
では1,2歳でリトミックをするのは意味がないのかと言うと、そうではありません。
以下は幼児の発達に関する本からの引用です。
~1,2歳児は、脳の神経細胞のシナプス形成が最も活発になり、歩行が安定して行動範囲が広くなり、見て 触って 聞いて感じる探索活動を活発に行い、体験を吸収することにより、脳は目覚ましい発達を遂げて行きます。~
~そして乳幼児における親と子の情緒的な絆は、子どもの発達に不可欠であることは多くの研究によって指摘されています。親の喜び(楽しい気持ち)を「相手の気持ち」として把握するのではなく、親のそばではいつにも増して喜びが大きくなるという親子が一体化した喜びの高揚感を感じるということでしょう。いずれにせよ、親と子の感情が伝わり合うことが重要であり、その感情伝達の通路となっているのが表情だというわけです。~
つまり、リトミックのレッスンで親子で一緒に「楽しいね!」という気持ちを笑顔で共有すること、それが1,2歳児の情緒の発達にとても良い影響を及ぼすのです。
さらに1歳中頃から、親に依存しながらも自立に向けて身を乗り出す「自我の芽生え」が始まります。1歳中頃に芽生えた自我は、2歳、3歳と年齢を経るごとに依存を支えにしながら自立に向かって歩んでいくことになります。
そして幼稚園に入園する年少クラスから親子分離をし、いよいよリトミックという広場でのびのびと身体を動かし、音楽を色々な方面から体験し、吸収し、個性豊かに表現するレッスンに入るのです。
リトミックの考案者であるダルクローズは「幼児期に緊張と弛緩、速さの変わる(リズム)運動などを充分に試みさせることの大切さをどんなに強調しても、しすぎることはない。~中略~ 子どもの経験が増し、変化すればするほど、その確かな効果は、身体的な発展に加えて、経験から学ぶことのできる知性が活発になることである。」と言っています。
ご存知のようにキャロルでは、1歳親子クラスから4,5,6年生の研究科まで最長
11年間リトミックのレッスンを受けて頂けます。ヨチヨチ歩きのベビーちゃんだった子が、春から中学生となる歳までの期間です。心身共に大きく成長する日常に当たり前のようにリトミックがあって、音楽を理解する喜び、創る喜び、表現する喜び…。
それらを心から感じて楽しめる人に育って欲しい。それが私達キャロルの講師の願いであり目標です。