2014年度

花の蕾が丸く膨らみ始めましたね。まるでこども達の可愛いほっぺたのようです。
私達講師にとって学年末は、こども達の成長を最も実感できる嬉しい季節です。そん な気持ちと共に、春の定期便、キャロルおしゃべり箱 をお届けします!

はじめに、本年度の行事の報告とお知らせです。
2014年度のキャロル
8月…造形教室 8月28日(木)
すっかり定番となったキャロルの夏のイベント、造形教室。今年も立体造形家の御堂誠二先生の、楽しいオリジナル作品を作りました。
今年の作品は『バンブー モビール』。大小さまざまな大きさの竹の輪切りを用意して下さり、子ども達は思い思いの色や飾りを付けて行きます。
それを竹ひごの両端に差し込み、バランスが取れる中心を探して、毛糸のひもを付けると一つのパーツが出来上がります。
今回は空間にゆらゆらと揺れる大きなオブジェでしたので、バレエ教室の練習バーをお借りして部屋の真ん中に設置し、そこにピンチで作品をぶら下げて、バランスを見ながらパーツを付け足していくという、今までにないユニークな作業となりました。
小さなクラスの子は二つのパーツ、大きなクラスの子は三つ、四つとつなげて大きな作品を作ります。
最後に一番上の毛糸のひもに割り箸を付け、そこを持ってみんなで記念撮影です。
竹ひごと、カラフルな竹の輪切りがゆらゆらと揺れる、繊細で幻想的な作品となりました。それを見つめる子ども達の、キラキラとした目と満足そうな笑顔。
来年の御堂先生のアイデアが楽しみです。

12月…クリスマスコンサート 12月7日(日)
今回は、金管五重奏「アンサンブル・ポルタ ソルプレーザ」をお迎えしてのコンサートでした。トランペット二人、ホルン、トロンボーン、チューバ。金色にピカピカ光る金管楽器です。管を伸ばすと何メートルにもなる金管楽器の仕組みを、ホームセンターで購入したホースにじょうごとマウスピースを付けて即席のラッパを作り、説明して下さいました。ホースのラッパでの演奏に、みんなびっくり。
その他、ユニークな楽器紹介やディズニーメドレー、そしてキャロル定番の「そりすべり」では、いつものキャロルオリジナルの動きを付けて、盛り上がりました。
子ども達の参加コーナーとして、今回は「カノン」をテーマに、それぞれの楽器の音色や高低を表現して楽しみました。リーダーの平木さんが「リトミックのカノンは決まったものを追いかけるのではなく、聴こえたものをすぐに表現して追いかける、難しいものなんですね。リトミックをやっている子ども達はすごいですね。勉強になりました。」とおっしゃってくださいました。

2月…親子ふれあいコンサート 2月19日(木)
昨年好評を得た1~2歳児対象の「親子ふれあいコンサート」を今年も開催しました。歌のお姉さん竹田えりさんをお迎えして、親子で楽しめる手遊び、歌遊び、パネルシアターありの盛りだくさんの楽しいコンサートでした。今回はフェイスタオルを使って遊んだり、最後は全員で「アナと雪の女王」の主題歌を大合唱しました。衣装を着てきてくれたお子様もいて盛り上がりました。えりさんからは「やはりリトミックをしているお子さんはノリが違うね。音楽的だわ。」との嬉しいコメントもいただきました。

3月…作品発表会 卒業式・茶話会 3月21日(土)3時開演
D・F・研究科 による作曲の発表
キャロルではリトミックの成果のひとつとして 1年生はメロディー創作・3年生は和声付創作・研究科は毎回違うテーマでの創作活動を行います。それを皆様に発表します。ご興味がおありの方は是非お越しください。席に限りがありますので担当講師までその旨をお知らせください。

リトミック a la carte vol.23

今回は日本のリトミックの歴史について簡単にご紹介します。
リトミックは、スイスの音楽教育家エミール・ジャック=ダルクローズ(1865~1950)が考案した音楽教育のメソッドです。ダルクローズがリトミックを発表したのは1905年でした。
日本でのリトミックの幕開けは演劇界と舞踊界を中心に始まりました。1907年、西洋の演劇の視察にでかけていた歌舞伎の2代目市川左団次は、帰国後、演劇表現の基礎として自由劇場にリトミックを取り入れました。1914年には、舞踊家の伊藤道郎もリトミックを学び、アメリカで舞踊の基礎として応用しました。体操界では、1923年に白井規矩郎が韻律体操としてリトミックを紹介しています。そして音楽界では、作曲家の山田耕筰が留学中にリトミックを知り日本へ広め、1923年に音楽教育家の小林宗作(「窓際のトットちゃん」で有名になりましたね)がパリのダルクローズ舞踊学校に留学してリトミックを学び、帰国後、総合リズム教育の中で展開させました。戦後1956年には、板野平がニューヨークダルクローズ音楽学校を卒業し、帰国後に国立音楽大学の講師となり、小林宗作と共にリトミックの普及に励み日本のリトミック教育の基盤をつくったのです。

さて、せっかくなので、キャロルの歴史も少し振り返りたいと思います。
1980年5月にキャロルリトミックスクールは誕生しました。当時は新玉川線が開通したばかりでした。キャロルは今のカフェの部分も含めた白い四角い建物で、現在のホールはありませんでした。白いグランドピアノがあり、とにかく白いイメージでした。その為、初めて来る小さなお子様が病院と勘違いして大泣きしてしまうという事がよくありました。新築の建物に新米のリトミック講師。なにもかもピカピカです。
書けない様な失敗も今では笑い話になってしまいました。
あの頃、同じスタジオでバレエを教えられていた先生がこうおっしゃいました。
「そのうち2世が通ってくるようになるのよ。アッという間よ!」
一体それって何年先?あまりに遠い未来に感じました。しかし、ついにその時がやってきたのです。昨年の嬉しい出来事でした!!!

その歳月の中で、リトミックの認知度・こども達の様子も変わってきました。早期教育の影響を受けて、リトミックを始める年齢が年少から→2歳児→1歳児とどんどん低年齢化していきました。幼稚園や小学校受験が多かった頃は受験シーズンになるとお休みが増えてレッスンにならなかった事もありました。最近は中学受験が増えていますが、小学生は塾に通いつつ、リトミックにも通って身体と心のバランスを取っているようです。
現在興味深いのは、保護者の方の変化です。ご入会された頃には、
「リトミック=楽器への導入 リトミック=体操 リトミック=ダンス」
と、考えていらっしゃる方もいます。確かにそんな側面もリトミックは持っています。
でも、レッスンを受けていくと次第にご理解いただけるのです。
リトミック=音楽だと。
又、音楽が伴奏なのか、音楽が主体なのかにより全然意味合いが違ってきます。音楽を聴いてどう動くかを自分で思考するリトミックだからこそ、ダイレクトに音楽的になれるのです。
1歳から12歳までという長いスパンでリトミックができる教室は、あまりないと思われます。キャロルのそれぞれのお子様の歴史こそが、私達の誇りとなります。キャロルリトミックスクールが用賀の地にもっともっと根付き、こども達とずっと音楽を楽しみたい・・と願っています。