1月の大雪にもびっくりしましたが、今年の桜は例年よりもずっと早く咲き、急に季節が切り替わったような春の訪れとなりましたね。
3月11日の発表会は、皆様からたくさんのご協力を頂き無事に行えましたことを改めて御礼申し上げます。そしてたくさんのお心遣いや、温かなお言葉も頂きました。本当にありがとうございました。
ちょっぴり遅くなりましたが、今年も春の定期便、キャロルおしゃべり箱をお届けします!
はじめに、本年度の行事の報告です。
2017年度のキャロル
立体造形家の御堂誠二先生を講師にお迎えしての夏の造形教室。今回の作品は『ガムテープ マリオネット』です。毎回先生のオリジナル作品なのですが、今年の作品は準備にとても凝りました。
参加申し込みと同時に、自分の作りたい動物の足になるペットボトルのふたを4つ提出してもらい、更に胴に繋がるロープの色も希望を出してもらいました。
御堂先生がすべてのふたに穴をあけてロープを通し、おもりになるナットを付け、更にふたの裏に厚紙を貼りつけるという細かな作業を行い、全員分を準備して来て下さいました。
当日は、まず新聞紙をクシャクシャと丸めて頭と胴体を作り、好きな色のカラーガムテープをちぎって貼り付けていきました。そこへ首と足のロープの長さを決めて固定し、目を付けます。そしていよいよ頭と胴にタコ糸を付けて、マリオネットの完成です。
糸の調整は、それぞれの部分とのバランスを取るのが難しかったのですが、先生に手伝ってもらい、トコトコお散歩するかわいい動物達が出来上がりました。キリンに象、クマに恐竜、ウサギや犬など、カラフルで素敵な遊べる作品となりました。
最後の写真撮影も、子ども達の満足そうな笑顔でいっぱいでした。
今年も歌のお姉さん“竹田えりさん”をお迎えして1歳・2歳児対象の「親子ふれあいコンサート」を開催しました。手遊び・歌遊び・パネルシアターなど盛り沢山の楽しいコンサートでした。途中キャロルの講師による「リトミックコーナー」もあり、普段のレッスンでも使うくまちゃんのパペットも登場し、親子で楽しんでもらいました。
最後の「体操わ~お!」では、たくさんのお子さんが大はしゃぎ!ノリノリで踊っていました。
3月…キャロルリトミックスクール発表会
2歳親子クラスから小学校高学年の研究科までのキャロル全体の発表会を、3月11日(日)烏山区民会館ホールで行いました。
保護者の皆様も良くご存じのように、リトミックは何かを繰り返し練習してできるようにすることが目的ではなく、音楽を感じる力、聴く力、そしてそれらを身体で表現する力を育てる教育です。そしてそれは段階を経て少しずつ内容を深め、進んでいきます。ですからその一部分だけを切り取って発表すること自体が、とても難しくもあるのです。
しかし今回は、小さな2歳クラスから小学生まで、リトミックを続けていくとどのように成長していくのか、その過程を少しでも皆様に感じていただければと思い、発表会を開催いたしました。
たくさんの小さな種から芽が出て葉が伸び、個性的な花を咲かせたり樹になったりして、みんなで一つの森に成長していく…。キャロルの子ども達一人ひとりの成長を、森に例えて映像や照明、音響のプロの方たちの力を借りて、表現しました。
各クラスの発表の舞台で子ども達は、普段のレッスンの時の表情を見せてくれたと思います。(みんな舞台袖で待つ時からとても楽しそうで、緊張しないのかなぁ、すごいなぁと感心しました)
そしてクラスや学年の垣根を越えて、リトミックを続けている子ども達だからこそできることをしたいと思い、小学生クラス(D.E.F.研究科)合同で36名によるボディパーカッション「ROCK TRAP」にも挑戦しました。
4つのパートに分かれた曲ですが、全体で合わせたのは2月の練習日と当日のリハーサルのみ。研究科の4人がパートリーダーになり、チームをまとめてくれました。
この「ROCK TRAP」は、音大生やプロの打楽器奏者も演奏するほど難易度の高い作品です。キャロルの子ども達らしく、みんなが楽しんで演奏できたと思いますが、いかがでしたでしょうか?
メロディーや伴奏がなく、自分の身体を楽器として演奏するボディパーカッションは、ビート感、拍子感はもちろん、お互いのパートを聴きながら合わせることができなければ曲として成り立ちません。
子どもらしい伸びやかさで、みんながそれを楽しんでやってしまうことに、私達講師も驚きと誇りを感じました。リトミックって本当に素晴らしいですね。
キャロルリトミックスクール講師紹介
発表会でもお知らせしましたが、木曜日のアシスタント講師を務めて下さった小川真奈美先生が、3月で退職いたしました。キュートな笑顔で5年間、キャロルのレッスンをサポートしてくれましたが、今後はピアノの演奏活動に専念していきたいとのことです。
そして4月からキャロルの新しい講師として、高橋諒多先生をお迎えします。キャロル初の男性講師です!どうぞよろしくお願いいたします。「諒多先生」と呼んで下さいね。それでは、自己紹介をどうぞ!
皆様こんにちは、高橋諒多と申します。 この度、キャロルリトミックスクールでアシスタント講師をさせていただくこととなりました。宜しくお願いいたします!30年以上続くこの教室始まって以来の男性の講師だそうです。男性だからこそできる子どもたちとの関わり方、音楽の表現の仕方があると思うので、それを生かして子どもたちに新しい刺激を与えられたらいいなと思っています。 国立音楽大学でリトミックを勉強し、卒業後は保育園や幼稚園でリトミック講師として指導をしたり、子どもたちにピアノを教えたりしています。年の離れた弟と妹がいるせいか、子どもと接するのがとても大好きです。そしてもちろん音楽も大好きです。今、その両方で仕事をさせていただいているので、毎日本当に楽しくレッスンしております。できなかったことができるようになったときの子どもたちの姿はとても輝いていて、こちらも嬉しい気持ちでいっぱいになります。この歴史あるキャロルリトミックスクールで、そのような体験ができることを嬉しく思うと同時に、深く感謝いたしております。 子ども時代の経験は大人になっても覚えていることが多く、その時の経験がその後の人生に大きく影響するとも言われています。そんな大切な時期に、音楽を通して子どもたちと関われることは大変誇らしく、そして大変大きな責任も感じます。少しでも子どもたちにとって良い経験となるような指導をしていきたいと思っています。そして「子どもたちの人生の糧に」とまではいかなくとも、ふとした時に「リトミックやっていて良かったなあ」と将来思ってもらえたら最高だなと思います。 これから宜しくお願いいたします。 高橋諒多
リトミック a la carte vol.26
今年は、色々な方からキャロルの子ども達を評価して頂く機会があった一年でした。今回はそれをお伝えしたいと思います。
~12月のキャロルのピアノクラスの発表会で~
今回のピアノクラスの発表会のテーマは「ピアノトリオ」。ピアノとヴァイオリン、チェロの三重奏でした。
講師の高田先生のお知り合いのヴァイオリニストの川合佐余子先生と、チェリストの安大登志子先生のお二人をお呼びしてのコンサート。全員がピアノトリオで出演するという、本当に貴重で素敵な体験のコンサートでした。お二人が、演奏する子ども達の曲のアレンジもして下さったそうです。
発表会の終演後にお二人にお話を伺ったのですが、合わせのレッスンは2回で、初めてのレッスンでは3人の演奏者の呼吸を感じて合わせること、それぞれの楽器の音の伸びと響きを良く聴くことを徹底して要求したとのことでした。「相手が子どもであろうと、音楽では一切妥協はしません」ときっぱりと仰ったのが印象的でした。
初対面の先生に厳しく言われて、緊張のあまり涙をこぼした子もいたそうです。ですが2回目のレッスンではどの子も見違えるほど成長して、アンサンブルを楽しんだそうです。
お二人はたくさんのピアノ教室から依頼を受けて、生徒とのピアノトリオの演奏をしていらっしゃるそうです。その大きな目的として、「ピアノを習う子はアンサンブルを体験する機会が他の楽器を習う子よりもとても少なく、独りよがりの演奏をする傾向にあること、他の楽器の音色に触れ、お互いの呼吸を感じてアンサンブルすることは、音楽を学ぶ上でとても大切なことなのです」と話されました。
そしてキャロルの子ども達が他のピアノ教室の生徒さんとは全く違い、相手の音を聴く力、呼吸を合わせる力が育っていることが素晴らしいと、とてもほめて下さいました。
リトミックを取り入れているピアノ教室はたくさんあるそうです。しかし殆どは幼稚園クラスまでで、その後はピアノのみになってしまい「リトミックの良いところが子どもに残っていないのがとても残念だ、キャロルには小学生クラスがあるからこそ、リトミックで音楽を深く体験出来て、卒業して中学生になっても、こんなに素晴らしい感覚でアンサンブルを演奏できるのだと思いますと」何度も言われました。
~2月 諒多先生が初めてキャロルのレッスンを見た日に~
4月からキャロルの講師になる諒多先生が、レッスンを見に来てくれました。子どもと仲良くなるのが本当に上手で、初対面なのに大人気!レッスンにも一緒に入ってもらいました。
発表会直前でしたので、小学生クラスは「ROCK TRAP」の練習もしたのですが、諒多先生自身も国立音楽大学の学生時代に演奏したそうで、少しアレンジしてあるとはいえ、それを小学生低学年のクラスの子ども達がやれることにびっくりしたそうです。
そして子ども達がステップする姿を見て「この年齢で身体のコントロールができているのがすごいですね!」とほめて下さいました。
~発表会の照明を担当して下さった松本永さん~
演劇はもちろん、ダンスやコンサートなど、たくさんの舞台の照明を手掛けて日本中を忙しく飛び回っている松本さん。
今回の発表会でも、それぞれのプログラムのイメージに合った映像や照明を駆使して盛り上げて下さいました。
各クラスのイメージを知りたいと、打ち合わせを兼ねてキャロルのレッスンを見に来てくださった時のことです。
Eクラスのカノンのレッスンを見て
「この年齢の子ども達がカノンをできるって、すごいことだと思う。リトミックのカノンは、聴こえて来る音楽を何拍か遅れて表現していくでしょ?つまり今どんなリズムが聴こえているのかを考えるのと、その直前に聴こえたリズムはこう身体を動かすんだぞという指令とを同時にやっているわけですよね?
これは、自分たちの照明や音響の仕事にも通じるところがあるので、よくわかるんです。リトミックでこんな風に体験したことは、この子達のこれからの人生できっと役に立つと思う。何気なくやれちゃってるみたいに見えるけど、すごいなぁ」と言って下さいました。
音楽畑ではない職業の方がこのようにリトミックを理解してくださるとは思ってもみなかったことなので、本当に嬉しかったです。
リトミックで身についていることがあまりにも当たり前のように見えていて、普段は効果を感じにくいと思われている方もいるかもしれません。
でもこのようにキャロルの外からいらした方達の視点から、キャロルの生徒たちへの嬉しい評価を頂くと、講師の私達も更に勉強を続けてより良いレッスンを行なえるよう頑張ろうと、身の引き締まる思いになりました。